ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
私はいつも彼のコトを遠巻きに見ていた。
思い出せないのは無理もない。

彼と顔を合わせたのは病室に一度、彼が来た時だけ。

バレンタインが近いこともあって、バレンタインのチョコを渡したけど。
彼はバレンタインのチョコなんて腐る程貰ってるし、渡した相手のコトなんて記憶にないと思う。

七階フロアでエレベーターは止まった。

「俺も下りて、羽島課長に会いに行くから…」

「あ、はい…」
二人で金属の箱から下りる。
彼の声を訊く度、胸の動悸が高鳴り、心に切なさが広がっていく。
何だろうこのキモチは・・・


ドキドキと切なさが止まらず、息が苦しくなっていった。





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