ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
彼の表情に呼応するように苦しくなる心臓。

私は御手洗いに行って閉じた便座の上に腰を下ろし、胸の苦しさを鎮める。

彼は本気で私に好意を寄せている。
彼は私の初恋の人。
私だって彼のコトがスキ。

初恋ってほとんどが実らず、終わってしまう恋だけど。
私には今初恋を成就させるチャンスが舞い込んでいた。


「コーガってあんな地味な女と付き合ってるの?」
「みたいね…」

「彼にはもう少し派手な女が似合いそうだけど…」

さっき伊集院さんに話し掛けていた三人組だった。

私のコトを恋人だと思い込み、言いたい放題。
彩華が隣に居たら、きっと『お似合い』だと言われるんだろうなぁ・・・



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