ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
皆、私だから不満に思うんだ…

私は身の程を知ってるのに…彼の方が…私に好意を寄せていて


私は扉を開けて、パウダールームで話す彼女たちの脇を黙って通り過ぎた。


「お帰り…俺は完食したぞ。間宮」

「私…やっぱり帰ります…」

「間宮?」

私と彼と一緒に居ても、惨めになるだけ。

「何があったんだ?」

「別に何もありません…伊集院さん」

「じゃ何で泣くんだ?」

「泣いてなんて…」

彼は私の眼鏡を外し、自分のハンカチで涙を拭いてくれた。

「伊集院さん…」

「ほら、座れっ」

伊集院さんは優しく私の椅子に座らせた。

「残りのベーグルどうするんだ?」

「貴方にあげます」

「じゃ遠慮なく食べるぞ…」

彼は私の食べ残したベーグルを全部平らげる。

「ハンカチ…洗って返しますね…」

「洗わなくてもいいけど…まぁ、いい・・・今度会う機会が出来た…洗って返してくれ」
「・・・」

「間宮のコンプレックスは根深いな…」

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