ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
硝子越しに見える外は既に夕刻を迎えていた。
ATMの前で、俺は間宮と会ってしまった。
互いに顔を合わせ、驚く。
「間宮…久しぶりだな…」
ラインしても既読スルーされるだけ。香波のコトも知られてしまった。
もう、彼女とはお終いだと思い、俺からの連絡を絶っていた。
「・・・相良さんから全部訊きました…」
「虎兄から訊いた…でも、君が彼氏に復讐しても、恒川さんは喜ばないと思うけど…」
「・・・そうかもしれませんが…彩華の為に何かしてあげたいんです…」
「・・・それが復讐?馬鹿げてると思うよ」
俺も人のコト言えないけど…
香波をあんな形で失ったのは全部父さんのせいだと思って…「殺してやる」と意気込んで、父さんの住む部屋に乗り込んだけど…逆に俺は父さんに刺されてしまい、生死の境を彷徨った。
父さんは俺を刺して後、逃走を図り、路上に飛び出して大型トラックに撥ねられ死亡した。
俺の復讐は成就したけど、復讐しても何も戻って来なかった。失ったモノの方が大きかったから。
「復讐ほど、虚しいモノはない。だから、止めた方がいい…」
「伊集院さん!?」