ずっと前にね
八章・仮面パーティ

夢ですか

たけちゃん、陽翔くん、叶多くん、隼人くんと共に、私はステージの上に立っていた。夏祭りや七夕にも皆で集まってライブをしたけれど、今日のライブは少し違った。

「~♪」

ハロウィンを祝おうとした隣町の豪邸から、仮面パーティへの出演依頼が来たんだ。最初、豪邸というだけでクラシックなどの演奏じゃないとダメなのではなんて皆でテンパっていた。けれど、そこの豪邸の主人と友達である柏崎先生がいつも弾いているような音楽で大丈夫だと言ってくれて一気に肩の力が抜けたのを覚えている。

「ありがとうございましたっ!」

3、4回のアンコールにも応えてステージを降りた私たちはてっきりライブのためだけに呼ばれたのだと思っていた。だから、荷物をまとめて帰ろうとしたんだ。けれど、柏崎先生とそこの主人が夜遅いため、今日は泊まっていくよう提案してくれた。
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