誠の華−ヒルガオ−




私が忠告をした時に僅かに空いた間。



別れ際の異様な空気。



それは、お凛が犯人である事を物語っていたように思える。



きっと山崎もそれに気付いていた。



私達は、近いうちに刃を交える時が来るのだろうか。



迫り来る不安を胸に抱きながら空を見上げた。


雲一つない真っ青な空は、私達の浅葱色の羽織と似ているようで全く似ていない。



微塵の濁りもない、澄んだ青たった。


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