内実コンブリオ
未だキョロキョロとしていた森緒ちゃんの視線は、角野先輩と自分とを行き来していた。

そんな森緒ちゃんと目が合う。



「くりやまくん?…って、誰?」

「…中学の同級生」

「で、元彼やんな」

「だから、違います」

「え、元彼と再会したん?!むっちゃ大変やん!!」

「だから、違うって!」



自分がこの二人の相手をするには、あまりにも力不足らしい。

情けないほどに、上手くさばききれない。

もうここまできたら、引き返せない。

全て打ち明けてしまおう、そんな覚悟がついた。



「栗山くんは…自分にとって、忘れられない人」

「忘れられない…大好きやった人!!とか?」

「だいすき…?」

「え。何、その反応」



何故か自分自身の中で、疑問符が浮かんだ。

当時、確かに好きだった。

自分でもそう認めた。

でも、今の今まで、ずっと忘れられなかった理由には、それだけしかないのか?

そんなの自分が一番、わかっているはずじゃないか。

罪悪感、懐疑的に想う心。

混ざり合って、ますます自分でも何がなんだかよくわからなくなる。

このなんとも複雑な想いを、上手く伝えることが出来ない。

自分は、ただ首を傾げることしかできなかった。
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