内実コンブリオ

感傷に浸っていた。

でも、長かった3年間の出来事を思い出してよくよく考えれば、刺激的で結局はどれもこれもいい思い出となった気がする。

これから平和に生きていけるのか、ともワクワクしたのも嘘ではないけれど。

それと同時に忙しなくも、ぎっしりと詰まった日々に淋しくも感じた。

でも、一つ。ただ一つだけ。

そのぎっしりとした日々にも一つだけ抜け落ちたことがある。

あー、言っておけばよかったな、ってこと。

それも最後に言葉を交わした保健室での時の栗山くんに。

『良くも悪くも自分の幼なじみなんやから、大事に想ってあげてほしい』

あれから簡単に別れられたりなんてしたら、自分は怒るかもしれない。





自分たち以外の人からしたら、きっと仕様もないこと。

とにもかくにも、これが自分たちの色恋沙汰なのでした。

こんだけ散々言っておいてなんだけど、またあなたと会って。

あなたと目を合わせる時が再び来たなら、許してもらえるまで頭を下げて。

そして、きっと泣いて喜ぶ。










第２章*咲宮side 終わり。
第３章に続く。