猫と手毬
僕はツナ缶を食べ終えると乗っけていたお皿を頭で少しずつ押して立樹にしらせようとする。



足元まで持ってきて僕は「ニャー」と鳴く。



「ん、こら。足元に居たら踏んじゃうよ?あ、お皿持ってきてくれたの?」



そう言って立樹はお皿を持つと同時に僕を撫でてくれた。



「もう少し待っててね。そしたら一緒に遊べるから。」



そう言ってお皿を洗ってる。



僕はソファの上によじ登りさっきまで遊んでいた手毬をコロコロ転がす。



手毬はコロコロと転がって色んな方向に行ってしまう。



するとソファから落ちた一つの手毬が廊下に出てしまう。



僕は追いかけて行くと不思議な部屋があることに気づいた。



そこには机や棚に手毬がビッシリ並んでいた。



雑貨屋とか八百屋とかと同じような雰囲気の部屋は電気がついてなくて真っ暗だ。



「こら。どこに行ったかと思ったら…」



そう言って立樹が僕の事を抱き上げる。



「家が気になったの?ここの部屋はお店として使ってるんだ。」



ここでは手毬が売ってるんだな。



「明日お店開くからその時に一緒に見ようね。ほら。手が空いたから一緒遊ぼう?」



そう言って三つほどの手毬を転がしてくる。



つい手毬をパシッと弾き返してしまう。



するとその手毬と僕の事を抱き上げリビングに連れていかれてしまう。



明日また見れるからいいかな?



僕はまたソファの上で立樹と手毬で遊ぶ。



立樹はどんどん手毬を転がしてきて僕はそれをはじき返す。



なんかキャッチボールしてるみたいで楽しかった。



カラフルな手毬がコロコロ転がってくるのも見てて楽しかった。



外の大雨の天気なんか忘れられるくらい部屋の中にはひだまりのような雰囲気があった。

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