告白の時間
「なんだか唐突な質問ですね」

「知らなきゃいいんですよ、別に…ただ知っていた場合ちょっと頼みたい事があってね…」

桂木は頬杖をついたまま、静かに返事を待っている。鳴海は少し考えると答えた。

「…花園?」

「ご明答…」

鳴海と桂木は隣のテーブルでうつぶして寝ている二人を起こさないように、小さな声で会話を続けた。

「良く分かったね、どうしてそう思った?」

「説明すると面倒なんですが、まぁカンて事で…」

鳴海がヒントの一つにしたのは、残像思念のさえちゃんの事を花園が見る事が出来た事だったりしたが、理由にしては不明瞭過ぎだ。

それにあの頃、千歳は良く図書館にいたけど、今思えば隣は音楽室だった気がする…

「…もしかして今も?」

「もしかしなくても、今もだから困ってる…」

ふーっと小さなため息をつくと、桂木は千歳を横目で見た。

「千歳さぁ…昔、中学の頃、これでも花園に告白してるんだよね」

「そんな話、自分にしてしまっていいんですか?」

「意味もなくこんな話はしないわよ?もちろん」

そう言って桂木はポツリポツリと、その当時の話を詳しく話しはじめた。
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