元ヴァイオリン王子の御曹司と同居することになりました
機嫌よく出海君の部屋の玄関ドアを開けると、ヴァイオリンの音がする!!
それも生音!
まさか!
そっと廊下からリビングの扉を開けると。
–––––––ヴァイオリン王子……!
出海君がヴァイオリンを弾いてる……!
久しぶりに見るその姿は、くらくらするほどかっこいい。
「あ、希奈さん、おかえり」
「ただいま。出海君、ヴァイオリン……」
出海君は恥ずかしそうに笑った。
そういう表情も可愛らしくてキュンとしてしまう。
「久しぶりに弾いてみたけど、関節動かないし、指先はへにょへにょで弦押さえられないし、下手でびっくり。でも、調弦の音は覚えてるし、ヴィブラートのかけ方は覚えてるし、ハイポジの感覚も覚えてる。面白いね」
出海君はそう言いながら、左手を動かす。
ファーストポジション、薬指のヴィブラート。
E線の7thポジション。
うわ、色っぽくて、破壊力抜群……!
「姿だけは様になるけど、音は悲惨で聞かせられない」
「でも、なんで……」
「希奈さんが、好きなら弾いちゃえばいい、って言ってくれたでしょ? それに、希奈さんにばかり努力させるのは悪いから、僕も何か努力してみようかと」
……もう。
どれだけ誠実な人なの。
それも生音!
まさか!
そっと廊下からリビングの扉を開けると。
–––––––ヴァイオリン王子……!
出海君がヴァイオリンを弾いてる……!
久しぶりに見るその姿は、くらくらするほどかっこいい。
「あ、希奈さん、おかえり」
「ただいま。出海君、ヴァイオリン……」
出海君は恥ずかしそうに笑った。
そういう表情も可愛らしくてキュンとしてしまう。
「久しぶりに弾いてみたけど、関節動かないし、指先はへにょへにょで弦押さえられないし、下手でびっくり。でも、調弦の音は覚えてるし、ヴィブラートのかけ方は覚えてるし、ハイポジの感覚も覚えてる。面白いね」
出海君はそう言いながら、左手を動かす。
ファーストポジション、薬指のヴィブラート。
E線の7thポジション。
うわ、色っぽくて、破壊力抜群……!
「姿だけは様になるけど、音は悲惨で聞かせられない」
「でも、なんで……」
「希奈さんが、好きなら弾いちゃえばいい、って言ってくれたでしょ? それに、希奈さんにばかり努力させるのは悪いから、僕も何か努力してみようかと」
……もう。
どれだけ誠実な人なの。