元ヴァイオリン王子の御曹司と同居することになりました
彼女に手伝ってもらいながら、大きなアレンジメントを取り出し、受付の長机の上に置く。

赤い薔薇がメインで、他にも色んな花やグリーンがセットされている。
花には詳しくない私でも、華やかで品があって、本当に素敵だと思う。

私にこんな豪華なお花を贈ってくれる人物は、1人しか思い浮かばない。

「はい、メッセージカード」

花の中に埋もれていたカードを永野さんが渡してくれた。


『感謝をこめて。 佐々木出海』


……もう。出海君てば、豪華すぎだよ。

永野さんは、目を潤ませながら、「素敵……」と呟き、いろんな角度から鑑賞している。いつもクールな彼女がこんな風に興味を示すのは余程のことだ。

あまりの華やかさに、オケメンバーの女性陣が集まってきた。

「うわー、すごい!」
「キレイ!」
「いいなー」

永野さんは花の周りに群がる女性陣と入れ替わりに私の隣に戻ってきて、興奮した様子で、

「すごいもの見せてくれてありがとう」

と言ってくれた。

「そんなにすごいものですか?」

「そのメッセージカードのデザインからすると、有名なフラワーアーティストの作品」

「あの、お高いんでしょうか」

「それは……なかなかのお値段かな」

……ほんとにもう。出海君てば。

「永野さん、長持ちする方法、教えてもらえますか?」


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