【短編】婚活ウォー!?ズ!!
「げろ?」

私を知ってるのかと思わず首を傾げた瞬間、蛙の様な声を捻りだしてしまい慌てて口を押さえた。

「なかなか近くに居ても会えないのに、珍しいねえ。お土産屋さんの制服も可愛いじゃないか」

可愛い。
その言葉が胸の中でエコーするほど、29歳には嬉しい言葉だ。

「院長、ナンパですか」

「可愛い奥さんにいいつけますよ」

「息子さん、泣きますよ」

スーツ軍団が冷やかす中、その枯れイケメンは頭を掻いて苦笑している。

「違うよ。2件隣の家の、女の子なんだ。弟の幼馴染み」


……え?

もしや。千葉病院の跡取り、千葉司さん?

「ヴィヴィン。ま"-ま”-! ちばざぁん」

女子力捨てて淡を切ったが、声は戻らない。
酷い声だった。
「あはは。喉が腫れてるのかな。無理に声ださないで。そうそう、昨日から旺大が家に帰ってるから会ってやってよ。婚約も破棄しちゃって、出世の道も閉ざされたし」
< 19 / 28 >

この作品をシェア

pagetop