がおがおざうるすはわるいこがおすき
01 ぼくはがおがお
 ぼくは、がおがおざうるす。
 ぼくは、いつもはらへり。
 はらぺこざうるす。
 ぼくがすきなものは。
 わるいこ。
 わるいこのわるいこころをたべて。
 いいこにするのがすき。

 ぼくにわるいこころをたべられたにんげんは。
 どんなごくあくにんもいいひとにかわる。

 でも、なんでだろう?
 でも、なんでだろう?

 ぼくにわるいこころをたべられたにんげんは。
 みんなじぶんでじぶんのことをころしちゃうんだ。
 かなしいけど。
 つらい。
 かなしいけど。
 とうとい。

 ぼくがわるいこことをたべないと。
 そのごくあくにんは、もっとたくさんのひとをきずつける。
 でも、ぼくがごくあくにんのこころをたべると。
 ごくあくにんがいのちをおとす。

 どっちがせいかい?
 どっちがただしい?

 どっちのいのちもだいじ。
 どっちのいのちもとうとい。

 ぼくはざうるす。
 ぼくはがおがおざうるす。

 いつもはらへり。

 ぼくがこころをたべるのは、ほんとうにくるしめるひとが「くるしい!」ってさけんだときのみ。

 だから、ぼくはこころをいっぱいたべない。
 だから、ぼくはおなかいっぱいにならない。
 たべなくてもしなない。
 でも、おなかはすく。

 だけどね。
 ぼくは、おもったんだ。
 ぼくが、ひもじいおもいをするのをぐっとこらえる。

 そしたら、だれもきずつかない。
 そしたら、だれもくるしまない。
 そしたら、だれもしなない。

 ぼくは、がおがお。
 ぼくは、がおがお。
 ぼくは、がおがおざうるす。

 がおーっとあらわれて。
 がおーっとたべる。

 たったそれだけでぼくのおなかはみたされる。
 でも、そのまんぞくはぼくだけのもの。
 だれかがきずつく。

 ぼくがうまれたのはだれのため?
 ぼくがくるしむのはだれのため?
 ぼくのせいできずつくのはだれ?

 こたえはふかい。
 こたえはふかい。
 こたえはふかいやみのなか。

 ぼくはせいぎかんでなにもおこなわない。
 そのせいぎはきっとぼくだけのもの。

 だからくるしいっておおきなこえでさけんでほしい。
 だからくるしいときは、おおきなこえでたすけをもとめてみて。
 きっとだれかがたすけてくれる。
 だってかれらはにんげんなのだから。
 でもね、だすけてくれないひとしかいないときもあるだろう。
 そんなとき、さけんでみてほしい。
 そんなとき、そっとつぶやいてみてほしい。

 そのときは。
 そのときは。
 そのときは。
 ぼくがそのわるいこのこころをたべにいく。
 そしたらにこにこ。
 みんなにこにこ。

 ぼくは、がおがおざうるす。
 ぼくは、はらぺこざうるす。

 ぼくがすきなのは、わるいこのこころ。
 がおがおざうるすは、わるいこがおすき。
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