笑いたい。
始まり。
花梨 side.
コン コン コン コン
白いボールが台でバウンドして、ラケットにあたる。
その台の横に座って台の下から向こう側を見る。
______あ、やってる。
台の向こう側ではすごい速さのボールが飛び交っている。
______やっぱすごい。
私が見ているのは男子。
「花梨〜!次、花梨だよ!」
「あ、うん…!」
やば、ぼーっとしてた。
私はラケットを握りしめる。
「香恋!勝負だよ!」
「花梨にはまだ負けないってw」
「分かってるよ〜!冬華、数えてね〜!練習2球!」
ラリーを始める。
私の名前は石川花梨。花咲学園の高校2年生。卓球部に所属してます。
で、私の友達で部活の仲間、今、戦おうとしてるのは平野香恋。色白さんで美人。それに姉御肌。でもちょっとぬけてて、おてんば。
もう1人は加賀冬華。やっぱり色白。でも、香恋違うのは、かわいい系ってこと。顔もかわいい。それにおもしろい。変顔大好き女子って感じ。
2人とも一緒の学年。卓球が上手くて正直いって、私とは雲泥の差。勝てるわけがない。
「今日も負けたー!!」
「当たり前でしょ?まだまだだな!」
と、香恋が言う。
「このままだと1年生に抜かされちゃうよ?」
「冬華も〜。ひどいよ〜!!」
わいわい言いながら帰る。
バス停には男子がいた。1人と目が合う。すぐ逸らしちゃうけど…。
「じゃあね〜花梨!」
「え…あー、うん。バイバイ!」
私だけ自転車通学なので、ここで香恋と冬華とはお別れだ。
私もバス通学がよかったけど…お金がかかるからそんなこと言ってられないよね…。
そんなことを思いながら信号待ちして、バスを見る。あっ、行っちゃう。半ば悲しい気持ちになりながら帰宅していく。
家に帰っても、愛情をそそいでくれる人はいない。
「ただいま。」
「おかえり〜。」
優しい声。でも、きっとそれは上辺だけで、中は私のことが嫌いでたまんないはず。
自分の部屋に行って私服に着替える。スマホを手に取り、動画を見る。私の一番の幸せ。
((こんにちは、こんばんは))
スマホから声が聞こえる。その声を聞くだけで、心が落ち着く。どんなにいやなことがあっても忘れられる。
「花梨〜。お風呂入りなさい。」
今日も1日が終わる。何も無い1日。これまでもこらからもそうだったはずなのに…。