華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
私は背を向けたまま、城の中へと戻る。
一切振り向くことはしなかった。

そのときのエリスは、どんな表情で私を見ていたのかは分からない。
しかし背で感じていたオーラは、とてつもなく嫌なものだった。


そして私の心の中も、どす黒い感情で覆われ気分が悪くなるほどで、部屋についてもなお、その不快感は無くならない。


「お帰りなさいませ、ソフィア様」

「ごめんなさい、ナディ。少しひとりにして欲しいの。いいかしら」

「え?あ、はい、かしこまりました」



ナディを部屋から退出させ、ひとり部屋のベッドに顔を埋めた。



ああもう、苛立って仕方ない。


言わばあれはエリスからの宣戦布告だ。

"私のほうが勝っている""私のほうが王子をよく知っている"と、私にわからせるための。


別にそれはいい。

私は王子と深い関係になるつもりなんてないから。



けれど、王子は言ったじゃないの。

エリスとはなにもないって。そういった仲じゃないって。


でもあのエリスの口ぶりでは、ふたりは身体の関係があると匂わせている。

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