あべこべの世界
 アルコールが苦手な孝志にこの二日酔いの気だるさは分からないだろう。

 私はゴロンとベッドに横になりながら、切り抜きの女性モデルを眺めた。

 こんなふうになりたいといつだったか壁に貼ったのだ。

 何かの雑誌で自分のなりたい女性の写真を目のつくところに貼って、毎日眺めると自分も同じようになれるというなんとかの法則のとおりに。

「敏ちゃん、低カロリーなものがいいってゆうから、おでん買ってきたよ」

 
 あれくらい痩せていて美人でスタイルもよかったら人生なにか変わるのだろうか? 


 おでんか。

 あんまり好きじゃないのだけどな。

 うん。

 人生変わるに決まってる。


「わーい。おでん。牛すじ買ってくれた?低カロリーでお肌にもいいのよね」  

 私は寝転んだまま足で枕を天井に放り投げ、また足でキャッチした。

 さぞかし楽しい人生なんだろうな。

 レンジで温めたすぎて熱くなりすぎたおでんを息をふきかけふきかけ食べる。
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