あべこべの世界
 世のなか美女と野獣とかその反対とか、そんなカップルは稀で大半が同じレベルで付き合っている。

 わたしと孝志もその大半のカップルの中の一組ってこと。

「昨日はそんなに飲んだんだ?」

 孝志はウコンを袋から取りだし、丁寧にもフタまで開けてくれる。

「こういうのって、普通飲む前に飲むんじゃないっけ?」

 と首を傾げながら。

 わたしは黙ってウコンを受け取ると液体をいっきに飲み干す。

 喉も乾いていたし、このコンビニで売っているウコンの味はけっこう好きだ。

 孝志はぐるりとワンルームを見まわす。

「ちょっと窓開けてもいい?外いい天気だよ」

 と、部屋でひとつだけの窓を開けた。

 春らしい風が部屋に吹きこみ、壁にとめてあった雑誌の切り抜きがパラパラと音をたててゆれた。
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