夢から醒めた夢



基本、私は知らない番号は出ない。

それが、携帯番号なら尚更。

前にうっかり出た時、変なおっさんで嫌な思いをしたことがあったから。



「でもさ、普通間違いなら2、3回で気づくよね?相手が出ないんだから、確認するよね?」

「する……のかな?まぁ、するか」

「だったら、出た方がいいよ。折り返しはしなくてもいいけど、次かかってきたら出るべきだよ」

「えー……」



そう言われても、気が重い。

また変な人だったらって思うと、出たくはない。



「じゃあ、あたしがいる時にかかってきたら出るとか」

「え?」

「そしたら、変な電話でもすぐ話せるし、気が重たくならないよ。それに、代わることも出来るしね」



こういう時は、菜緒が頼りになる。

私1人なら、とことん無視すると思う。

関わりたくないから。



「今日、かかってくるかなぁ?」



なぜか、菜緒は楽しそうだ。

私は、もうかかってこなくていいと思うのに。




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