呪い

「えーっ、何これ?」

沙樹は目を大きく開いて、手にしたものを見つめた。

学校が終わって、帰宅していた。九ケ沼康子にあんなことを言ったが、やっぱり気になった。家の周りや、家の中、自分の部屋に何か変なものがないか、探してみることにした。

ざっとでもいいから探してみる。それで何も見つからなければ、

(ほら、やっぱりね)

と、安心できる。

そう思っていたのだが、探した結果、「変なもの」は見つかったのだった。

沙樹のベッドの下だ。壁にくっついているベッドの奥のほうに、放りこまれたように転がっていた。

人形だ。

といっても、上等の、売り物の人形なんかじゃない。

ボロきれをボロきれでくるんで、乱暴に縫い合わせただけのもの。漢字の「大」の字の形をしたものだ。

大きさは、沙樹が手のひらを広げたよりもひと回り大きい。

そして、奇妙なことに、「大」の字のてっぺんのとんがった部分、人間で言えば頭の部分が切りとられている。

決して作り忘れたのではない。

頭部を作った上で、ハサミのような刃物を使って切りとったのだ。

胴体に当たる部分の切断面に、詰め込んだボロきれが見えている。

切りとった頭部もベッドの下に転がっているのを見つけていた。

「何よ、これ? なんの嫌がらせ?」

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