君の本当をこの瞳で見つめて。
痛みに耐えながら裕治くんの名前を呼ぶと、なぜかハッとしたように辺りを見渡した。
「裕治くん……その……」
「悪い、ぼーっとしてた。改札口まで送ろうか?」
その提案に、私は首を横に振る。
このままの空気に耐え切れる気がしない。
「ここで大丈夫。その、ありがとう」
「いいって!また集まろうな!」
手を振って笑顔で私を見送る裕治くんに、小さく手を振り返して駅へと早歩きで駆け込んだ。
飲み会終わりのサラリーマン達や、若者達がちらほらと見えた所で改札口を通り抜ける。
タイミング良く来た電車に乗り込むと、扉が閉まる。
扉に背を預けて、反対側の窓ガラスに映る自分の顔を見て下を俯いた。
今にも泣き出しそうな顔をして、ここまで歩いてきたことがあまりにも恥ずかしかった。