君の本当をこの瞳で見つめて。
『ま、私は幸せを願ってるだけ。じゃあ、今後の報告待ってるから』
そう言って仕事へと戻るために電話を切った香織に、助けてという言葉を今更吐き出したかった。
それすらもできないまま、しばらくの間スマホを耳に当ててぼーっとする。
このまま私の心はどうなってしまうんだろう。
好きな人に好きと伝えるのか、いや、好きな人なのかさえも分からない。
香織の言う通り、昔の憧れを抱いたまま裕治くんを見ていたのかもしれない。
でも、抱きしめられたあの時高鳴った鼓動を思い出すと、どうしても胸が苦しい。
私のことが好きで、それで抱きしめてくれたとしたらこの先の未来、彼が隣でずっと一緒にいてくれたら。
そうしたら……この傷は癒えるのだろうか。
「好き……か」
小さく呟いた言葉は部屋の空気に混じって、窓の外で輝く太陽へと吸い込まれていく。