Memorys ‐過ぎ去りし時間‐
生徒会室に着き、双子は勢いよく扉を開けた。

 「「ただいまー」」

グイグイと部屋に入れられ扉を閉められる。
さっきまで腰に引っ付いてた双子は私の手を握ってニコッと笑った。

…もうそんな可愛さには惑わされないわよ
手を離しなさい。手を。

「随分と遅かったですね」

掛けられた声に目を向ければ、
白いソファーには会長と副会長が居た。

生徒会室は少し特殊の構造で、教室2つ分くらいの大きさがある。
こんなところに居れるほど、学園には大きな存在なのだろう。

 「もう顔を出したので帰ってもよろしいですか?」

来たくもない場所に何で急いで来なきゃいけないのよ。

 「いけませんよ。そこにお座りください」

 「結構です」

こんなところからさっさと出て行ってやる。

いつでも逃げられるように、何とか双子の手を振り払おうとするが、彼らは更にきゅっと手に力を込めた。

 「じゃあそのままでいいさ。お前はもう生徒会の一員には変わりないんだからな」

 「その件について、丁寧にお断りさせていただきます」

 「拒否権はないとさっき言っただろう。何を言ったってお前はもう生徒会補佐だ。学校側の許可も得た」

私に人権はないのか…?
それに何故、学校側も許可をしたのか…

 「私ではなく、他の人を選んだほうが生徒会の役に立つと思います」

他に有能な人材はいくらでもいるだろう。
ただの嫌がらせでここまでするだなんて馬鹿げてる。
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