Memorys ‐過ぎ去りし時間‐
教室の前で蓮花と離れ席に着く。
残念ながら蓮花とは違うクラスで自分のクラスに仲の良い人なんていない。
…作る気もないし気にしていないけどね。

教室中でもやはり、生徒会のことで盛り上がっている。
どこもかしこも生徒総会の話で持ちきりだ。

正直煩いと思ってしまう。
騒いでいるのは女子生徒だけではない。
男子生徒も「イケメンを見習う」だとか何とか言ってる人もいれば、
教室を走りまわってる愉快で迷惑な奴らもいる。

 「…煩い」

痺れを切らして教室を出る。
煩いところは好きじゃない。

人気が無さそう中庭にでも行こう。
中庭は私の好きな場所。
中央には大きな桜の木がある。
もう桜の時期は終わり、緑の葉がそよそよと風に吹かれている。
そのベンチは居心地がよく私のお気に入りスポットだ。

 「誰も居ないといいな」

静かな場所を求めて足を進める。

時間ギリギリになったら戻ればいいだろう、
それかそのままサボろうかと考えていた。

しかしその考えは数分後に壊されることを刹那は知る由もなかった。
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