Memorys ‐過ぎ去りし時間‐
生徒会…正直名前何て誰一人も思えていない。
蓮花が”美形”だと連呼するのだから彼らは皆、美形なのだろう。
容姿は蓮花が何回も言うからうっすらと覚えてしまったけれどね。

 「…そんなこと言ってるけど蓮花には彼氏がいるじゃない」

バシバシと叩く手を止めてならがそう言えば、
蓮花は頬をぷくりと膨らませた。

 「それとこれとは別なの!」

 「太一が可哀そう」

 「だからそうじゃないの!イケメンは別!目の保養は大事よ」

太一は蓮花の彼氏。
この扱いはちょっと可哀そうだと思う。

 「あーはいはい」

もう何回も聞いたよ。
太一のことをこんな風に言ってるけど本当は大好きなこともちゃんと分かっている。

 「その返事何にもわかってないでしょー」

…興味ないことを言われてもね
それに、この後続く言葉は、

 「「青春真っ盛りの今、恋をしなくてどうするの!!」」

うん、だよね。知ってた。

 「分かってるじゃない」

 「そりゃ蓮花が耳にたこができるほど言ってくるから覚えたのよ」

 「だったら…「ほら学校着いたよ」…もう!」

蓮花の言葉を遮りながらそう言えば、
また頬をぷくっと膨らませていたので突いておいた。
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