君が好きなんだ。
好き。
「あの…!…好きです…」

沢村麻琴、人生初めての『告白』と言うものをしてみました!

「入社してから…ずっと、好き、でした。…よかったら!…付き合ってもら、え、ない、かな…?」

おずおずと目の前に立っている背の高い彼を見上げてみる。

「…ごめん…」

「…あ」

「沢村のこと、同期っていうか、そういう風にしか見たことなくて、考えたこともなかった」

「…あぁ、うん、そう…」

彼の顔を見ていたはずの視線はさがり、今は彼の胸にあるネクタイにある。

「それに、…彼女、いるんだ、オレ。だから、付き合えない」

『ごめんな』と本当に申し訳なさそうな声が頭上から落ちてきた。

「ううん!謝らないで!」

私は今ある勇気と力を総動員して顔をあげた。

「こちらこそごめんなさい!嫌な思いさせてしまって」

『いや』と顔を横にふる彼。やっぱり優しい。

「…気持ち聞いてくれて本当にありがとう。ちゃんと返事くれてありがとう。…明日からまた、同期として…接してくれると、嬉しいけど…」

どこまでも図々しい私。でも、このまま接点がなくなるのは悲しい。

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