君が好きなんだ。
「…もちろん。また、よろしくな」

優しい声にうつむきかけていた顔をあげた。

「ありがとう!」

「っ沢村…」

目の前の彼は困った顔をしている。それもそのはず。私は笑いながら泣いていたのだ。ん?泣きながら笑っている?どちらが正しいのが自分でもよくわからなかった。

「本当に本当にありがとう。想い届かなかったけど、好きになれて本当によかったって思う。そう思わせてくれて本当にありがとう!」

「沢村…」

「ご、ごめん!明日からはまた今まで通りの私に戻るから。同期の沢村麻琴にもどるよ。だから安心してね」

「…」

「じゃ、時間取らせちゃってごめんね、ありがとう。…行っていいよ」

私は涙をふき隅へと寄って公園の出口へと続く道をあけた。彼は戸惑いながらも一歩足を踏み出した。

「…じゃあな、気をつけて帰れよ」

私の前を通りすぎながら声をかけてくれた。

「うん、また。ありがとう…さよなら!」

涙をふいた私は今度こそ笑顔で答えることができたんだ。
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