君が好きなんだ。
隣で仕事をするのは慣れていたけれど、こうやって隣にいることにはまだ慣れない。
でも二人の距離がもっと近づけばいい。もっともっと近づきたい。

「麻琴」

優しく名前を呼ばれ顔をあげると、唇に軽いキスがふってきた。
驚いて目を閉じる暇もなかった。

「家まで我慢できませんでした」

イタズラに笑う須田くん。

「そこは大人なんで我慢していただかないと「ムリだな」」

かぶせて言う須田くんに笑ってしまう。

「須田くん?」

「んー?」

呼び掛ければすぐに返事が返ってくる。

好きになって良かった。

好きでいて良かった。

好きになってもらって良かった。

いろいろな思いが胸いっぱいになるけれど

でもどれも全部

ただ、ただ、君が好きなんだ。

「須田くん、大好き」

繋いだ手をギュッと強く握った。



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