君が好きなんだ。
それでも、好き。
「「お疲れ~」」

金曜日、仕事終わりに同期で親友、松原凛と飲みにきていた。就職して三年目にはいり、それなりに仕事もこなしてはきている私達。それに伴い新たな悩みや愚痴も出てくるというもの。お互いにそれを吐き出さなければやってられない!と定期的に二人で会っている。
半個室になっていて、隣の席が見えないこの居酒屋は二人のお気に入りの店だ。

「うちの新人さー、何でも聞いてね、ってそりゃ私は言ったよ?でも、コピー用紙の表裏なんて聞かれてもさー、知らないよ!ってなるよねぇ」

「うんうん。わかるわかる」

凛の愚痴に枝豆食べながら頷く私。三年目となると新人教育も仕事の一つになる。

「あっ、ねぇ、総務の純子、結婚するって!聞いた?」

「えっ?初耳!純子ちゃんが?同期で初、だよね」

「純子の彼氏、年上だから。30歳だったかな。ちょうどいい感じだよね」

「そっかぁ、純子ちゃん、結婚かぁ。お祝いしなきゃね」

「同期みんなでお祝いしようよ」

「そうだね!」

凛と私の同期は比較的仲のよい方だと思っている。

「結婚かぁ…」

私には程遠い話だななんて思ったことがため息として出てしまった。
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