可愛げのない彼女と爽やかな彼氏
番外編3 早く言えよ★相川視点★
彼女がエンゲージリングを嵌めるようになってから、にわかに自分の周りが騒がしくなってきた


『相川課長!とうとう結婚するんですね!おめでとうございます!結婚式呼んで下さいね〜絶対その時は帰国しますから!
韓国支社 藤川美奈、清水里奈』
『泣かすなよ アメリカ支社 木崎智也』


懐かしいメンバーからのメールも届いたし、しかも海外から
どんだけ噂が広まるのが早いんだか、この会社


「相川課長、そろそろ時間ですよ。行きますか?」


部下の麻生隆寛から声をかけられて時計を見ると、取引先へと出掛ける時間になっていた


「そうだな。そろそろ行くか」


ホワイトボードに行き先と帰社予定時間を書いて、エレベーターに乗った


「相川課長、すっかり時の人ですよね。皆川部長と神崎課長の結婚決まった時と同じぐらいに」
「は?何言ってんだ?」
「知らないんですか?皆川部長が結婚するまでは、うちの女性社員が結婚したい男性社員ランキングのトップ3は、1位皆川、2位相川、3位神崎の3人だったんですよ?」
「なんだそれ?」
「非の打ち所がないハンサムな皆川部長が1抜けて、あとは知的なハンサムな神崎課長と、爽やかなハンサムな相川課長の2人。俺、他部署の女性達に2人との間を取り持ってくれって何回頼まれたことか」


初めて聞く内容に唖然としていると、エレベーターが1階に着き、エントランスを抜けて会社を出た

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