今日から家族になりまして。
「あら、そんなところに隠れてないで出てらっしゃい♪娘の陽菜です♡」
明るく私にそう呼びかけ、二人に私の紹介をするお母さん。
でも私は、お母さんに言われた通りにすることなく、同じ体勢のままで声だけを喉から押し出した。
「……言っとくけど、私、あんたらがこの家に住むこと、認めたわけじゃないから」
私の一言で、さっきまでの穏やかな空気が一瞬にして固まる。
「……あ、そうだよね、ごめんね。顔も合わせたことない人が急に家に上がり込んだら怖いよね」
頭をポリポリとかきながら、再婚相手とやらはそう言って少し戸惑った様子で突っ立ったままになってしまった。
「わかってんなら、出ていってよ」
「陽菜、何言ってるの」
きつい物の言い方をする私を、お母さんは止めようとする。