今日から家族になりまして。
「……ちゃんと言っておかないとダメかなって思ってね。娘の不登校の理由はね……」
「あ、ま、待って!!」
「?」
女の人の話を遮って、俺は全力で止める。
女の人は、急な俺の大きな声と割り込みに少しびっくりしてしまったようで、肩がビクッと跳ねた。
それでも俺は、女の人から続きの話を聞こうとはしない。
「す、すみません……。あのでも、ちょ、ちょっと待ってほしくて。」
「え?」
「……俺、その続きは、その、
ほ、本人から聞かなきゃいけない気がして……。
ま、まだ家族認定してもらえてないのに、
勝手に自分の情報言われるとか……きっと、嫌かもしれないし
俺だったら、俺の知らないところで
他人に自分の情報伝わってたら、なんか嫌だし……
ちゃんと、陽菜さんの口から言ってくれるまで
俺、待ちたくて。
言ってくれるかわかんないし、
まだ、家族にすら認めてもらえるかわからないけど
少しずつ、俺は歩み寄っていきたくて。」