結論、保護欲高めの社長は甘い狼である。
余裕がなさそうな色っぽさと、真剣さが混じり合った表情でそんなことを言われたら、頷かないわけがない。


「……喜んで」


緊張できゅっと締まる喉から精一杯の返事をした瞬間、性急に唇が下りてきて、濃密なキスを交わした。

どんどん激しさを増すキスは、唇に留まらず耳や首筋に移り、甘い余韻を残していく。服の上から至るところを撫で回されるだけで、呼吸が荒くなる。

獣と化した彼は、たまらなくなったように背中に手を回して私の上体を起こし、ソファに座らせて一気に服を脱がせた。

さらにブラのホックも片手で外され、隠す間もなく圧迫感がなくなった胸の頂きを口に含まれ、甘い痺れが走る。


「あっ、やぁん……っ!」


自分のものじゃないような変な声が漏れ、思わず彼の柔らかな髪を掻き抱いた。

舌で転がしたり、甘噛みしたり。与えられる初めての快感におかしくなってしまいそうで、無意識に首を振って耐えていると、ふと彼が顔を上げる。


「そういや、お前初めてだよな」


思い出したように言われ、火照った顔で涙目になったまま小さく頷いた。すると、達樹さんは半裸の私を抱き抱えて立ち上がる。


「きゃ!?」

「がっついてないでベッドに行くか。丁寧に、よく味わっていただくことにする」

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