結論、保護欲高めの社長は甘い狼である。
「どんな種類のチョコがお好きですか? アーモンドが入っているものとか、生チョコとか」

「そうだなぁ……。僕はホワイトチョコレートが一番好きですね」

「ホワイトチョコ、美味しいですよね。濃厚でミルク感たっぷりで」


わが社の人気商品である、苺のソースが入ったホワイトチョコレートを思い浮かべながら言うと、甘利さんも楽しそうに相づちを打つ。


「そうそう。でも、チョコなのにどうして白いのかなって前から……」

「それ! やっぱり不思議に思いますよね!?」


私も昔同じことを疑問に思ったことがあり、思わず身を乗り出した。

私の勢いに少し驚いて目を丸くする甘利さんにも、なぜホワイトチョコレートが白いのかを教えてあげたい。


「普通のチョコレートは黒っぽいカカオマスというものを含んでいるんですが、ホワイトチョコレートはそれを含まず、白いカカオバターを主材料にしているからなんです。
このカカオバターの融点が低いから、口の中でとろけるんですよね。苦味成分のテオブロミンが含まれていないので、ホワイトのほうが甘く感じますし……」

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