彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
最寄り駅に着いて主任とわかれて、そして今部屋の中。
いつもならおなかもいっぱいだし、お風呂に入ってさぁゲームってところだけど。


「明日って何着たらいいんだろ……」


持っているワードローブなんてたかが知れてる。


望亜奈さんに聞いてみちゃう?
そうと決まれば早速メール。


【明日主任とご飯を食べに行くことになりまして、何着たらいいのか困ってるんですけど。なんかアドバイスください!】


メール送ってまだ1分も経ってないけど、返ってきたのはメールじゃなくて着信。



『桃ちゃん、どういうことぉ?』


挨拶もなしにそう叫んだのはもちろん望亜奈さんで。

今日会った出来事をそのまま望亜奈さんに伝えたけど、かなり興奮気味。

「なんで朔也さんが桃ちゃん来るのを楽しみにしてるのよ」ってお叱りまで受けた。


「それで、よくわからないけどそういうことになりまして……」

『ワンピースに決まってるでしょう?』


ばっかじゃないのって説教されそうな勢いで続けて言う望亜奈さん


『普段、着ないからいいんじゃない。それより主任はどんな服かなぁ?』


あ、もうすでにそっちの妄想にいってるらしい。
でも、ワンピース一択らしいです。


「あの、でも夏のワンピースって持ってるのはギャルっぽい短いヤツで……」


リゾート地ならともかく、あんなの主任の前で着れない。
だいたいフトモモ丸出しなんてありえない。


『桃ちゃん若いんだし、いいんじゃないの?』


あ。そういえば、前にお父さんが買ってくれたワンピース。あれならいいかも。


「望亜奈さん!ありがとう」


すぐにお礼を言って電話を切った。
たぶん、あとで結果報告させられるんだろう。
けど、そんな話を出来るのもちょっとだけ嬉しいかも。
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