彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
荷物運びを申し出てくれた主任だけど、お昼でもってファミレスに来ていた。


確かに今はお昼だし、おなかもすいてきたけど。
そんなこと一言も私は言ってないはず。
まさかおなかすいたって顔してたとか?


でも、たった今目の前に置かれたハンバーグランチに心奪われて、まいっかって思ってしまうあたり私の中で最優先は食事ということになる。


「おいしそー。いただきます」


残さず食べて大満足でコーヒーを飲む。
主任と一緒にご飯を食べるのもだいぶ慣れて、緊張して味がわからないなんてこともなくなった。

ん?
そういえば主任って何か買ってた?
私の荷物を車まで一緒に運んでくれた時、袋なんてもってなかった。


「主任。あの、買い物良かったんですか?」

「あぁ近所ですからいつでもいけますし」


近いって言ったって、平日はきっと私より遅いし行けないと思うんだけど。


「なんか重いものとかあったら私、車で運びますよ?」


そういえば、主任って一人暮らしだった?
28歳の男の人だから勝手に一人暮らしって決めてかかってたけど、もしかしたら違うかもしれないし。
彼女と一緒だったりするのかもしれないのに……
なんか私ったらおせっかいもいいところ。


「あ、あの、すみません…手伝ってもらってるのは私なのに」

「天ヶ瀬さんは気にしすぎです。…それとも、朔也が言うようにこの口調がいけないんでしょうか」


少しため息混じりに呟く主任。
確かにその話し方で距離感を感じることもあるけど、主任っぽいって思うし、朔也さんと話すようにしゃべられてもそれはそれで動揺しちゃうかも?


「あの、主任はそのままでいいと思います……」

「そう、ですか?それも残念な気がしますが」


残念?
なんでそういう結論になるのか、わけがわかんない。


「あの、普通、でいいと思います」

「普通、通常の自分でいいということでしょうか?」

「はい!」


うん、
休みの日まで仕事モードなんて心が休まらないし、だったら普通にしてくれたほうがきっといい。
< 139 / 439 >

この作品をシェア

pagetop