彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
新年のご挨拶と噂話

お正月に集まる親戚 噂話の的は ……私?

家に帰りついたのはお昼少し前。
初日の出を見たあと、朝ごはんを食べてから戻ってきた。


「ただいまー」

「ちょうどいいところに。新年のご挨拶に行くから、桃華ちゃんも早く着物に着替えるわよ」

「え?ご挨拶に行くのって明日じゃ―――」
「さっき姉さんから電話があってね。兄さんたちも来てるから一緒にどう?って」


おじさんに会うのは一年ぶり。
普段はなかなか会うチャンスがないから、今日会えないと次に会えるのはまた一年後ってことになる。

あまり寝てないから、ほんとは家でゆっくりしたかったけど。


「準備しておいたから、早くいらっしゃい」


用意されていた訪問着をお母さんにすばやく着付けられた。
お母さんってほんと何でもできるんだよね。


「はい、出来上がり」

「ありがとう、お母さん」

「じゃ、すぐに行くわよ。お父さんも車にいると思うから」


もしかして、すごい待たせちゃってた感じ?

こんなことなら途中で連絡入れればよかった。
でも、主任といる時に家のことなんて全く考えもしなかったんだよね……


「お父さん、ごめんね。お待たせしちゃって」


車に乗りながら言う私を、バックミラーで見たお父さんは


「女の子の着物姿は、何度見てもいいな」

「この訪問着、すごく気に入ってるんだ。かわいいよね?」

「それならお嫁に行っても着れるからね、ちゃんと持たせてあげるから」


持たせてあげる?
どこに?
またお母さんは、去年から私がお嫁に行く話ばっかり


「はいはい。その時はお願いします」


だって、他に言いようがないし。
まぁきっとそのうち
いつかわかんないけどお嫁に行くこともあるだろうから
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