彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
伯母さんの家までは車で四十分。
今日はお父さんの運転で到着。

玄関を開けると、なにやら大人数。
伯父さんと、従兄弟も一緒に来てるみたい。リビングからは子供たちの声も聞こえる。


新年のご挨拶をしてから、仏壇にお線香を上げた。

普段は伯母さん元気一杯だけど、伯父さんがいた頃は結構家にいることが多かった。
やっぱりこの家にいると伯父さんとの事、思い出しちゃうのかな?


「桃華ー。大きくなったなぁ」

「おじさん、二十四の娘に大きくなったって失礼」

「おお、そうか、こーんな小さな頃から見てるからなぁ」


伯父さんの家は男の子ばっかりで女の子がいないから私の事すごくかわいがってくれた。
もちろん、今でも。

だから一年ぶりに会えるのをすごく楽しみにしてたんだけど。

かわいい孫ちゃんたちに囲まれて、すっかりいいおじいちゃんになってた。


「また増えてるっ」

「今回は女の子だぞ」


それはもう嬉しそうに。
伯父さんにとっては待望の女の子。
これはもうみんなあきれるぐらいに可愛がりそうだよね?


私が孫ちゃんたちと遊んでいるうちに大人たちの宴会が始まっていて。お父さんとお母さんまで一緒に飲み始めてる。

私は普段から飲まないのを知ってるから放置してくれるのは嬉しい。

飲んでないのは従兄弟のお嫁さんたちで、私はあまり面識がないからなんか話しづらい。


すると潤兄がやってきて、


「桃、なんか食べなくていいのか?」


ここに来てから何も食べずに孫ちゃんたちと遊んでたけど、おなかもすいてないし。


「えっと、朝ごはん遅かったから、今はまだいい、かな?」

「ふぅーん、どっか行ってた?」


どっかっていうか、


「あ、うん、お友達と初日の出見に行ってたから」

「へー寒いのに、よく行ったなぁ」


う。
寒いの苦手って潤兄は知ってるから、ちょっと訝しげな顔で見られたけど、知らん振り。


「寒かったけど、すごい綺麗だったし感動しちゃった」

「そりゃ、よかった」


あんまり良かったって顔してないけどね?潤兄。

でも、誰と行ったのって突っ込まれなくて良かった。
だって、ここで説明したらまたややこしいことに……


「そういえば、桃華。おまえいつ結婚するんだ?」


突然伯父さんが聞いてきた。しかも遠くから。大きな声で。


はい?
結婚って言った?
聞き間違いじゃないよね?
ていうか、そんな話しどこからわいてきたんですか?
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