彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
ご飯を食べて望亜奈さんを送った後、今度は潤兄を家まで送っている。

二人は席に座るなりビールとか言っちゃって、最初っから私に送ってもらおうっていう魂胆が見え見えだった。
こういう時、お酒を飲まない私はかなり重宝がられる。

まぁでも、今日は望亜奈さんの分もご馳走してくれたし、このぐらいはしてあげないとね。
他にお礼できるとすれば……


「そういえばもうすぐバレンタインだし、潤にぃにもチョコあげるね」

「もちろん、桃の手作り、だろ?」


私は運転してるから、潤兄の顔なんて見えないけど、きっと意地悪な顔してる。
潤兄ったら、私の料理のセンスが壊滅的なの知ってるくせにこういうことばかり言う。


「無理に決まってるでしょう?」

「手作りじゃないなら、いらないから」


はい?
好意であげるって言ってるのに
なんなのそれ?


「別にいらないんなら、もらってくれなくてもいいけど」

「桃さ、料理ぐらい出来るようにならないと結婚できないぞ」


何よ、最近みんな結婚結婚って。どうせそんな相手いないんだから結婚なんてできるわけないのに


「それでもいいって人探すから、いいもん」

「そんなやつ、いるわけないだろ?いたら連れて来い」


む。
大体結婚相手どころか彼氏だっていないのわかってて
そういうこと言うんだ?


「チョコ、溶かして型に入れるぐらい桃でもできるだろ?」


どうせ潤兄はもてるんだからいっぱいもらうんだろうし。
一こぐらい変なのあっても気にしないって事なんだろうな。


「わかった!頑張ってみる!」


こうしてまんまと潤兄に乗せられた私は、手作りチョコと作ることになったんだけど。


「え?それで手作りって言っちゃう?」

「まーはじめてならそんなもんでもいいんじゃん?」

「そう、なんだ?」

「ついでにもらってやるから、作ってみれば?」


ついでって。
まさか一回で成功するとは思えないから、練習練習。


望亜奈さんにもバレンタインに頑張っちゃえって言われて
潤兄にもチョコ作れって言われて


何この展開
バレンタインのチョコを手作りなんて中学生以来なんですけど
しかもあの時はほとんどお母さんが作ってくれたのに


でも、もしも。
うまくできたら、主任にあげてもいいかな?


いや、その前に練習練習
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