彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
仕事を終えて店舗のほうを覗いてみたけど、望亜奈さんの姿はない。
そういえば今日はお休みだって言ってたっけ。

んー
そうなると、やっぱり今すぐ頼れる人はいない。
まず頼ろうって思う事が間違ってるか。


今までの恋愛はいつも受身で。
向こうから言われて付き合ってきたし、最初がそんなだからいつも相手の人が誘ってくれたり色々してくれたりしたから。

自分から誘うとか、そういうのってしたことがない。


たぶんこういうのって二十四にして人生初!


別に告白するわけじゃないし、ただご飯誘うだけなんだけど。
っていうか、さっきも今日お時間ありますかって誘ったんだけど、
もっとさかのぼればバレンタインに呼び出しみたいなこともしちゃったけれどもっ

それでも、休日の日にわざわざご飯行きましょうって言うのはやっぱりすごく緊張する。

なんていうか主任に関わってから初めてのことが多すぎる。


天ヶ瀬桃華、二十四歳。
まだまだ人生初のこと、沢山あるみたいです。


そんな事を考えながら運転してると、すぐにカフェに着いた。

夕方のこの時間はやっぱり混んでいて、駐車場もいっぱいだったし店内も沢山の人がいる。
でもご飯時だけあってすぐに席に着くことが出来た。

前に待ち合わせた時に主任が座ってた席が偶然にも空いたから。

席に座ってほっと一息。


あ、この席、外を歩いている人も見えるし入り口もよく見える。
主任が入ってきてもきっと私のことすぐに探せ……

もしかして。
あの時、私がすぐに見つけられるようにこの席を選んでくれてた?

どちらも見渡せる席はここか、隣の席ぐらい。
そんなの偶然かもしれないけど、でも主任ならそのぐらいのこと考えそう。

主任仕事にはすごく厳しいけど、部下を思いやる優しさはある。
気をつけて帰ってくださいとか、関わらないようにしていたころのことを考えればビックリの気遣い。


ぼんやりと今までのこと考えていたらいつの間にか主任が目の前に立っていた。
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