彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
30分の間、主任との会話もなく、私は隣を見ることも出来ずにただまっすぐ前を見ていただけで。

道案内をしなくても、ちゃんとアパートの前に到着。

ナビに登録したわけでもないのに、一回で覚えられるなんて。すごいなぁ。

あ、でも。車。会社のだよね?主任、一度事務所に戻るんなら私の車置いたままでよかったんじゃ……。


「意外と近所だったんですね」

「へ?」

「歩いてもうちまで5分ぐらいじゃないでしょうか」


主任は普段世間話なんかしないから、どこに住んでいるなんて情報はまったく知らない。

会社に車で出勤している様子はないからたぶん徒歩なのかな。

て、近所だったの?


「今日は遅くまでお疲れ様でした」

「おつかれさまです。あの、送っていただいてありがとうございました」

「では、また明日」


時刻は9時。やっと解放。

なんというか、すごく、疲れました。

体もだけど、精神的に。それはもうぐったり。



冷凍食品をチンして、ご飯を食べる。

一人寂しく夕飯を食べながら思い出すのはランチで食べたイタリアン。


「あぁ今日のランチおいしかったなぁ……」


ランチであんなにおいしいんだから夜ならもっとおいしいよね。

ディナーは無理でも、せめてランチでいいからまた行きたいなぁ。



昨日も遅かったし、今日もこんなだし。
今日こそはお風呂タイム楽しまないと週末まで持ちそうにない。


今日は奮発して化粧品メーカーのバスオイル入れちゃおう。

すっごくいい香りだから大好きなんだけど、高いから気軽には使えないけど今日はいいよね。


「やっぱりいい香り~♪」


さっきまでの緊張がほぐれていくのが自分でもわかる。

リラックス効果もあって、お肌もつやつや。


「やっぱりお風呂っていいなぁ」



《天ヶ瀬桃華 リアルに疲労困ぱいでログインできず》
< 39 / 439 >

この作品をシェア

pagetop