彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
動き出す日常

少しずつ変わってきた日常だけど まさか 急に こんな変化が現れるなんて 思いもしない

あっという間に金曜日。

水曜も木曜もお話をするためだけっていうぐらいの短い時間ゲームにはログインしてた。

ジュンさんは、夜中に来ているみたいだけど、もちろん十二時前にログアウトする私は会えない。

いや、それがいいような寂しいような。

もともとジュンさんの活動時間は零時以降だったから今までどおりといえばそうなんだろうけど。

会いたいような、そうでないような。


ようするに気持ちに気づいて以来すっかり自分の気持ちをもてあましているっていうのが現状で。

大体、同じ時間にログインしたところで、私の姿が見えてるわけじゃないから焦ってるところを見られる訳じゃない。

落ち着いてチャットで返せばいいわけだし、気づかれることもなくできるはずなんだけど。

嘘は言わなくても取り繕ったりすることの出来ない私がうまく返せるか不安で。


フゥー


朝から深くため息。


「おはようございます」

「あ、おはようございます」


主任に先に挨拶されちゃった。

ため息付いてるの気づかれてないよね?



今日は言われた通りにバス通勤。

バス停が遠いこともあって、私は普段、車で通勤してる。

だけど今は五月。風が気持ちよくて歩いていてもすがすがしい空気だからたまには歩くのもいいかも?と思わせる季節だった。


「午前中は社内で、午後イチで出ますので」

「わかりました」


午後ならとりあえず、制服に着替えてこよう。
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