キミは俺のモノでしょ
「来栖の兄ちゃんは――国立大志望だってな?」


不意に兄の話が出て萎縮しそうになる。

それを悟られたくないわたしはなんともないフリをするのに必死だ。


「すごいよな。入学してすぐの模試でいきなり全国レベルの好成績を叩き出したんだから」

「…………」

「ここの入試では全科目満点の首席入学」


先生も思ってるかな。

兄妹で歴然とした差があるって。


「おまけにイケメン」


もしかして、こんなことを考えているかも。


どうせなら劣等生のわたしでなく

優等生の兄を受け持ちたかったと……。


「俺がアイツなら、めちゃくちゃ遊んでしまいそうだよ」


……へ?
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