キミは俺のモノでしょ
けっしてあのひとみたいに、蔑(さげす)んだ目で見てきたりはしないし……。


「話それちまったが」


伊勢谷先生と目が合う。


「お前は、お前のペースでいいからな」

「……え……」

「焦んなくていいよ。俺なんて未だに将来なんてよくわからねぇ」


「おいおい」

「やっぱ伊勢谷、先生向いてねーよ」


男子からの冗談じみたバッシングを受けながら「はは。やっぱり?」と笑う先生は適当人間だと思う。


だけどその適当さが……

わたしの心を軽くしてくれた。
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