キミは俺のモノでしょ
「え、日曜? どこ行くの?」

食いつく航太くんに、

「んー? ナイショ」勿体ぶる架里奈。


「なんでだよ」

「言ったらついてきそうだし」

「映画? カラオケ?」

「さあねー」

「教えろよ。つーか、俺も誘えよ……あ、昨日俺に日曜の予定聞いたのそれか?」

「ごめんねぇー。ホケンかけちゃった」


顔の前で手を合わせる架里奈。


「なに俺、ホケンだったの?」

「へへ。雅くん無理なら田村でも誘ってやろうかなーと思ってたわけよ」

「なんだよそれ。普通に俺から誘えよ」

「それがね、チケット四枚しかないの」

「チケット?」

「なんとなんと、遊園地のタダ券だよー。お土産買ってきてあげるからそれで許して?」

「はぁ? んなもん俺も行くに決まってるだろ」

「自腹で?」

「聞いたからには行く」

「そっか。あんた、“すき”だもんねぇ?」


航太くん遊園地好きなのかな。

なんていうかイメージ通りだ。

絶叫マシンにひるみもせずに勇敢に乗りそうな感じがする。


「……っ、うるせぇ。とにかく俺も連れてけ」


いま、航太くんの言葉が詰まったような……?

気のせいかな。
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