キミは俺のモノでしょ
皮肉にも兄の脅しが後押しになってわたしは頑張れたような気がする。


数学の授業中、わたしのテキストのチェックに気づいた先生が、

「やっぱあいつはわかってるなぁ」と囁いていた。


つまり、兄の読みは当たっているのだろう。


……いける。

このまま暗記を続けたら、追試は乗り切れそう。

ただし、兄の罰ゲームは乗り切れそうにない。


いくらため息をついても身体は正直なもので。

5分もたたないうちに、わたしは眠りについた。


それはそれは……


とても深い眠りに。
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