副社長には内緒☆番外編☆
何時?
そんな事を思いながら、ゆっくりと目を開けるとまっすぐと私を見つめる弘樹君の視線とぶつかった。

驚きすぎて声がず、目を丸くした私の腰を抱き寄せると、弘樹君はキスを落とす。

「おはよ。香織」
ニコリと微笑んだ弘樹君を見て、ようやく自分の今の状況を思い出し、羞恥で顔が熱くなる。
そして朝から素肌が触れる感触に気づき、昨日の事が思い出されて布団に潜り込んだ。

「何恥ずかしがってる?今更」
クックッと肩を揺らして笑う弘樹君を、目だけ出して私は睨んだ。

「……うっ。おはよ」
「やばい、香織かわいい」
そう言って布団をはぎ取ると、弘樹君は首筋にキスを落とす。
また、甘い疼きが襲うのを感じて、慌てて弘樹君に私は話を振った。

「ねえ、私のこと大切だったから、手を出さなかったの?」
今までの疑問を払しょくしたくて、弘樹君に尋ねた。

弘樹君は軽く息を吐くと、口づけていた私の首元から離れて私を見つめた。
「あたりまえだろ。ただでさえ香織がナンパで付き合うのは嫌いだって事は気づいてたし。まあ、俺がどのタイミングならいいかわからずにいたのも本当だけど」
少し照れたように言った弘樹君の言葉に、つい笑みが漏れた。
「よかった」
「でも、まさか香織から迫られるとは思ってなかったから、逆にここまで我慢してよかったよ」

弘樹君はニヤリと笑った。
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