ケーキ屋の彼
「それにしても、3人でこの量って多いと思いませんか?」
柑菜は、午後から作っていた料理の品を見て、真波に同意を求めた。
「3人、ですか?」
その返しに柑菜は少し疑問に思いつつも、会話を続ける。
「はい、私と櫻子と今日が主役の友達の3人です」
柑菜は、他に誰かいたかなと確かめながら数を数えた。
「そうですね、少し多いかもしれませんね」
何かを悟ったように、真波は先ほどの『3人、ですか?』という質問がなかったかのように、そう答える。
「でも、足りないよりはいいんじゃないでしょうか」
真波は、正当な理由で柑菜を納得させる。
「そうですね……あ、じゃあ次はこの林檎の皮を向いていただけますか?」
赤色の林檎を、真波に渡す。
「はい」