ケーキ屋の彼
柑菜は、仲直りしたついでに涼に1つ確認したいことがあった。
「ねえ、涼ってもしかして、美鈴さんのこと……」
「はあ!?」
分かり易すぎるほど態度に出る涼に、柑菜は笑いを堪える。
「そうなんだ〜」
そして同時に、櫻子のことが頭に浮かんだ。
直接聞いたわけでは無い、でも、櫻子の涼に対する態度は、他の男子と関わる時とは全く違う。
しかし、櫻子は以前にこう言っていた。
『私はどうせ大学卒業したら親が決めた人と結婚するから、恋愛はしないの。もし、好きな人ができてもその人に告白したりはしないわ』
その時は、ただ自由がないことが不便で窮屈そうで大変だとしか思わなかった。
けれど、櫻子の涼に対する態度を見ると、柑菜はその言葉を思い出し、やるせない気持ちになる。