ケーキ屋の彼

「先輩は、いつから好きなんですか?」


「だいぶ前。……でももう諦めるからいいの」


「なんで……絶対お似合いなのに」


「ある人にそう言われたから」


「ある人……? その人って絶対先輩のこと好きですよね、そんなこと言うなんて」


「そう、かしらねえ?」


美鈴は、斜めに見える涼の顔をちらっと覗き見た。


その涼は、秋斗と一緒に座っていた。


「男同士で話すの、初めてですよね」


秋斗は涼にそう言うとははっと笑う。
< 75 / 223 >

この作品をシェア

pagetop