ケーキ屋の彼
「先輩は、いつから好きなんですか?」
「だいぶ前。……でももう諦めるからいいの」
「なんで……絶対お似合いなのに」
「ある人にそう言われたから」
「ある人……? その人って絶対先輩のこと好きですよね、そんなこと言うなんて」
「そう、かしらねえ?」
美鈴は、斜めに見える涼の顔をちらっと覗き見た。
その涼は、秋斗と一緒に座っていた。
「男同士で話すの、初めてですよね」
秋斗は涼にそう言うとははっと笑う。